不完全でパーフェクト

魔女 BL二次創作とハロプロ

2. ほら かかってきなさいよ

忘年会

昨日、一昨日と2日連続で同僚との忘年会があった。ここ数年は飲み会らしい飲み会は非常に少なく、飲み会が続くという状況は久しぶりだ。2日ともとても楽しくて少し飲みすぎてしまった。出張のため今朝は5時に起き移動しながらこの文章を書いているが、眠くて眠くてしかたない。

今回初めて迎え酒というものの効果を実感した。前日の飲酒がたたり昨日はずっと二日酔いで、「今夜の飲み会では酒量を控えよう」と決めていたのだが、いざ飲み始めたら胸やけなどの不快感が払拭されてどんどん元気になった。迎え酒はすごい。一体どんなメカニズムなんだ?と思って今検索したら迎え酒には何の効果もないとのこと。そうなんですか。そう言われると急に具合が悪い気がしてきた。お味噌汁が飲みたい。と、スマホで文章を打っていたら乗り換え駅の自販機にお味噌汁(しじみ70個分のちから)があったので買って飲んだ。自販機で味噌汁なんて誰が買うんだ……といつも思っていたが私だった。

昨日の二次会はたまたま見つけたバーに行った。バー慣れしていない私はバックバーの大きさと美しさにいたく感動した。照明の雰囲気もテーブルや椅子も素敵だった。あと1杯だけ飲みたいんだよな〜と思って頼んだジントニックがあまりにおいしくて結局3杯飲んだ。にぎやかなのに騒々しくはなく、店内のざわめきがさざなみのように揺れて心地良かった。この街にはそんな居心地の良い店がいくつか存在している。初めて入った店なのにしっくりきて、体になじむ感覚がある。学生時代に今の会社の入社面接に来た時、この街に初めて降り立った印象が「この街で生きてみたい」だったことを思い出した。

 


Juice=Juice武道館公演

最近まったくJuice=Juiceを追えておらず、12/6の武道館公演も仕事の都合で現地にもライブビューイングにも行けない予定だった。

武道館公演当日の朝、ツイッターのタイムラインに某男性アイドルソシャゲのキャラクターのイラストが立て続けに流れてきた。今年映画が大成功したコンテンツで、私もそれほど詳しくないなりに鑑賞して度肝を抜かれ結局劇場に20回ほど通った(素晴らしかった……)のだが、劇中で一番パフォーマンスが好みだったキャラクターの誕生日だった。映画館に通っていた時のことを思い出し、このキャラクターのパフォーマンスのきらめきを反芻し、なぜかどうにもたまらない気持ちになった。アイドルという存在について、命を燃やしてステージに立つ人たちについて考えた。アイドルのオタクを自称している自分について考えた。仕事は忙しい。私には私の果たすべき責務がある。しかし今日この瞬間のJuice=Juiceを目撃しない理由になどなり得るのか?

仕事の調整にとりかかる。TO DOを見直し、翌日以降に回せそうな案件を探す。ない。先輩に事情を話して(理解のある職場だとつねづね思う)取り引き条件付きで一つ仕事を渡した。念のため多めに作業時間を確保していた案件もあり、多少追い上げることができた。18時開演のライブビューイングのチケットを16時半にとった。前方だがシアター入口近くの端の座席が幸運にも空いていた。退勤直前に後輩に相談を持ちかけられる。話を聞いてもらいたい時に聞いてもらえるありがたさをよく分かっているので付き合う。私の好きなハロメンもきっとこうするだろう。こういう何気ない場面でハロメンが行動指針になることがある。

時間がない。会社の最寄駅まで走り、帰宅ラッシュの電車に揺られ、映画館の最寄駅から走る。のどが渇いてちりちりと焼ける。映画館の入っている商業ビルに駆け込み、満員のエレベーターを一つ見送る。ようやくたどりついたシアターの重い扉を開けると大きな歓声があふれた。ああ間に合わなかった、と思いながらも時計を観ると1分遅刻だった。1曲目はこれからだ。

「Juice=Juice 10th Anniversary Concert Tour 2023 Final ~Juicetory~」と銘打たれた本公演、前半はとにかく松永里愛がすごかった。本当にすごかったのだ。1曲目の「プライド・ブライト」から気迫がみなぎっていた。もちろんどのメンバーも全力を懸けてパフォーマンスしているのが伝わってきたのだが、この日の松永里愛はすごすぎた。声も表情も体も、指の先、髪の毛の先まで、自分の持ち物を全て意のままに操っており、そのすさまじい集中力にただ呆気に取られていた。彼女の歌への情熱やテクニックにはもともと多大な信頼を寄せているが、歌唱の基礎力そのものも大きくレベルアップしているように思えた。特に高音が素晴らしく、難しい音をスパーン!と一発で当ててくるのがたまらなかった。

後半のスペシャルメドレーはスペシャルという冠通りの素晴らしいメドレーだった。キラーチューンが詰め込まれており、10年という期間に楽曲が蓄積してきた爆発力とメンバーの鬼気迫るほどのパフォーマンスに会場のボルテージがとんでもないところまで引き上げられるのを感じた。前半は松永里愛の独壇場(に見えた)だったが、このメドレーでの段原瑠々は圧巻で何度も鳥肌が立った。松永里愛はじめ他のメンバーの気迫に段原瑠々が魂の全てで応えているようで、彼女の歌声に他のメンバーが感極まっている様子さえ見られた。メドレー終盤の「Never Never Surrender」→「CHOICE & CHANCE」→「Magic of Love」の3曲は特にすさまじく、彼女の声を聴くたびに胸が震えて泣きっぱなしだった。この人は一体どこまでいってしまうのか。「プラトニック・プラネット」に「金星まで行っちゃいたい」という彼女のパートがあるが、本当にロケットの打ち上げのように、もしくは軽々と箒にまたがる魔法使いのように、どこまでも飛んでいってしまうような気がした。

本編終了後お手洗いに立って気づいたのだが、自分が予約した時には空いていた座席もだいぶ埋まっていた。私のように直前まで都合を調整してライブビューイングに駆けつけたのだろうか。お手洗いの順番待ち中に社用携帯の電源を入れると急な案件が舞い込んでいた。観念して映画館を後にし、ファミレスで仕事をした。後でセットリストを確認するとアンコールではデビュー曲メドレーなるものを披露していた。悔しい。悔しいが円盤を心待ちにする。

ライブで聴く「Va-Va-Voom」が大好きだと改めて実感した。「"変わらないでいてね" 私は無理よ」、そう歌う彼女たちに頬を張られた気持ちになった。形を変え続けるJuice=Juiceを正直こわいと思ったことも、ここ数年の好みでない新曲に落胆したこともある。でも彼女たちはこちらのそんな事情になど一切かまわず、左右されないくらいスピードを上げて進んでいってしまうのだ。来年春には最後のオリジナルメンバーであるリーダー植村あかりの卒業を控えている。メンバーの卒業は寂しいが、寂しいことばかりではないと教えてくれるのもまたハロプロだ。

本公演は衣装もとても素敵だった。1着目の松永里愛と石山咲良のパンツスタイルがかっこよすぎた。私はモーニング娘。'19の青春Night衣装のようなタイトめのパンツ衣装が大好きだ。昨年か一昨年くらいからハロプロは良い衣装が多い気がする。どうしても有限なアイドル人生、どうか1着でも多く素敵な衣装を着てほしい。